SJSに関するA.A.のレビュー

American Astrology *1

(アメリカン・アストロロジー)のレビュー

シュリ・ジョーティ・スター最新版

ハンク・フリードマン

 

輝かしい新星が、ヴェーダ占星術ソフト界に登場しました。ヴィジュアル・ジョーティシュが生産を停止してからというもの、プロフェッショナルを満足させるヴェーダ占星術ソフトは2つしかありませんでした。しかし、いま、シュリ・ジョーティ・スターが、3番目のプロフェッショナル・ソフトとして、新たに加わりました。Dos バージョンからウインドウズ95および98バージョン2に衣替えし、出力が、より速く、より正確に得られるようになりました。

 

シュリ・ジョーティ・スターは、簡単に学べて、簡単に使えます。プルダウン・メニュー、チュートリアル機能、ヘルプ機能が充実しているほか、テーブル、チャート、グラフなどの選択ボタンをマウスの左ボタンで押したままにすると、メニュー内容を説明するウィンドウがポップアウトします。下図では、カーソルのすぐ下に、ボタンの機能を説明するウィンドウが表示されています。

プログラムのカスタマイズも簡単です。チャートの形式(北インド、南インド、東インド、西洋)、惑星の色(惑星別、品位別)、惑星の表記法(記号、文字)、ハウス・システム(ラーシ、イコール・ハウス、シュリ・パティ、プラシーダス、KP)、アヤナムシャ(ラヒリ、ラーマン、ユクテスワ、ファーガン、バラハミヒラなどの他、独自のアヤナムシャも可能)、ノードの種類(トゥルー、ミーン)、惑星戦争の勝者の定義などについて、細かく設定することもできます。

 

シュリ・ジョーティ・スターには、ACS USと世界地図が完備されており、世界の25万の都市について、自動的に緯度、経度、タイムゾーンを選択・更新することができます。トランジット見るとき、天文暦を出力するとき、サマータイムも自動的に考慮してくれます。

 

データ入力の画面では、登録済みのチャートを簡単に選べるだけではなく、プログラムに搭載されているデータベースから、様々な条件で検索ができるようになっています。たとえば、特定の惑星が特定の星座に在住しているという条件で検索することもできるし、特定の惑星が特定のナクシャトラに在住しているという条件で検索することもできるし、トロピカル星座で同様の検索をすることもできます。また、他のソフトウエア(Parashara’sLight、Visual Jyotish など)で生成されたチャートをインポートすることもできます。

*1 http://www.ncbuy.com/shopping/magazines/american_astrology.html
*2 現在のバージョン5は、ウインドウズの最新バァージョンにも対応しています。

 

シュリ・ジョーティ・スターの通常画面は、Parashara’s Light のワークシートに似ています。表示したいチャートや表・グラフを自分で選択し、好きなようにレイアウトすることができ、最大15 ページ3まで保存することができます。

また、それぞれのレイアウトを最大9パターン保存することができます。たとえば、相性のリーディングに特化したレイアウト、分割図専用のレイアウト、惑星の強さの分析に特化したレイアウトなどを作成してそれぞれ保存することができます。

 メニューから、40種類以上の表、20種類の分割図やチャート(北インド、南インド、東インド、西洋)、18種類のグラフ、17種類のダシャーシステムを選択して表示することができ、その多様さに目がくらくらするほどです。

グラフでは、ラーシ、ナヴァムシャ、品位、強さ(シャドバラ、アシュタカヴァルガ、ホウスバラ)、アスペクト、コンジャンクション、チャート間のアスペクトなどを、単独のチャートあるいは2つのチャートのセットで、出力することができます。さらに、グループないで、何人のアセンダントが、それぞれのラシ、ナクシャトラ、ナヴァムシャにあるのか、というようなこともグラフでわかりやすく表示することもできます。

3 最新バージョンでは18 ページまで保存することができます。

 

表も、グラフ同様たくさん用意されています。たとえば、アシュタカヴァルガ、天文データ、パンチャンガ、ヴィムショパーク、シャドバラ、カラカ、アラビックパーツ、KP、相性、惑星、ハウス、ナクシャトラ、アスペクト、チャート間のアスペクト、などなど。

ワークシートのなかで、北インド、南インド、西洋占星術の方式を選んで表示することができるのはもちろん、同じシート上で、異なる形式のホロスコープを表示することも可能です。16の分割図を、異なるアセンダント(バーヴァ、チャンドラ、カラカムシャ、アルーダ、ホラ、ガティ)で表示することもできます。

 

さらに重要なのは、シュリ・ジョーティ・スターは、二人のホロスコープや表・グラフを同一シートに表示することのできる唯一のソフトウエアであるということです。さらに、コンポジットチャートをサイデリアルで表示することのできる唯一のソフトウエアであるということです。これらの機能は、相性の分析をジョーティシュでする上でたいへん役に立ちます。

また、簡単にリロケーションを行うこともできます。都市の名前を入力するか、世界地図上で場所を特定するだけでできるようになっています。

 

ホロスコープは、他のプログラムにエキスポートできるようになっており、ビットマップあるいはヴェクターのどちらのフォーマットも選択できるようになっています。ワークシートも、ヴェクター方式のファイルで保存することもできます。これにより、あらゆる表・グラフ・スクリーンをどのワードプロセッサーにも出力できますし、Eメールで送ることもできます。

 

自分でレイアウトを設計することもできますが、面倒な場合には、あらかじめサンプルのレイアウトを使うこともできます。プリント用のフォーマットも、自分で何ページでもデザインすることができるし、プログラムで提供されているできあいのフォーマットを使うこともできます。

 

シュリ・ジョーティ・スターのもうひとつ顕著な特徴であるダイナミック・バイ・ホイール機能はウインドウズ・バージョンになってさらに強化されました。ダイナミック・バイ・ホイール機能とは、トランジットの天体をネータルのホロスコープの周りに配置し、ビジュアルに前方向や後方向に、手動で回転させることができる機能です。ソーラーリターンやヴァラシャファルの用途に使われます。また、トランジットの天体の回転は、自動的に一定のスピードで回転させることもできます。その際、トランジットの天体が回転するたびに、関係する表、グラフ、チャートの内容も更新されます。また、相性の判定にこの機能を使うこともできます。トランジットの変わりにパートナーのホロスコープを重ね、二人の惑星配置を、任意の分割図で比べることができます。たいへん強力な機能です。

 

シュリ・ジョーティ・スターには、月単位あるいは日単位でパンチャンガを出力する機能もあります。出力されるデータには、ナクシャトラ、カラナ、ティティ、ヨーガ、カクシャ、KP サブ、惑星の度数、日の出・日の入り時刻、イングレス、月例、好ましい活動内容、トランジットとネータルの間のアスペクトなどの情報が含まれます。天文暦も、それぞれの星座が日々の上昇時刻も含めて、見ることもできるし、印刷することもできます。

 

シュリ・ジョーティ・スターの計算は、驚くほど速い。あるコンビネーション(たとえば、火星が蟹座にあり、木星が魚座にある)がいつあるのかを検索したところ、ほとんど同時に結果が表示されました。月が凶星にアスペクトされ、火星がアシュレーシャにあるファイルを検索したときも、あっという間に結果が出てきました。研究において、このソフトウエアは、パワー、使いやすさ、スピードにおいて、あらゆるヴェーダ占星術ソフトを凌駕しています。

 検索機能は強力です。惑星が在住する星座やハウスを条件に、アセンダント、月、ナクシャトラ、ナヴァムシャ、ラグナ・ロードから見て、検索することができます。また、惑星がコンバストしているのか、逆行しているのか、惑星戦争で負けているのか、ヴァルゴッタマなのか、吉星と絡んでいるのか、凶星と絡んでいるのか、地水火風のどの星座に在住するのか、奇数星座か偶数星座に在住するのか、品位はどうか、凶星の星座か吉星の星座か、といった条件を付け加えることもできます。検索の条件は、AND論理とOR論理を使っていくらでも追加することができます。たとは、月が凶星からアスペクトされているか、あるいは、減衰している、という条件を設定する事もできます。

 シュリ・ジョーティ・スターでは、任意のチャートについて、関係する詩篇をヴェーダの古典のなかからの引用することができます。どのナクシャトラに在住するのか、どのハウス・ロードがどのハウスに在住するか、どのウパグラハがどのハウスに在住するのか、などを条件に、対応する古典を引用することができます。また、チャートで形成されるヨーガに関して、パラディーピカの解釈を表示することもできます。これらの解釈や引用は、画面上で見ることもできるし、印刷することもできます。そして、今後、さらに多くの原典を追加する予定です。さらにこれでもかという具合に、シュリ・ジョーティ・スターには、チャートファイルを他のデータベースソフトでも使用できるように、惑星の度数、星座、ハウスなどのデータを出力することができます。この機能のお陰で、他のデータベースソフトのうえでスプレッドシート分析ができます。さらに、第2プログレスや第3プログレスを計算し、惑星のカラカ、アスペクト、品位、などの情報も含めて出力することもできます。複数の(人の)ホロスコープについてまとめてレポートを作成し、特定の(人の)ホロスコープとどれだけ共通点が多いかを数値で表示するほかに、ナクシャトラの性質を示すこともできます。

 シュリ・ジョーティ・スターは、信じられないほど精緻に作り込まれており、動作もたいへん安定しています。いろいろ試した結果、動作および機能にまったく問題はなく、たいへんすばらしいパフォーマンスを発揮しました。このレビューがみなさんの目に触れるまでには、クジャドーシャやクータやビデオ・マニュアルなど、さらに多くの機能が付かされているでしょう。一生を通じてレベル3までのダシャーとスダルシャン・チャクラを掲載したページと3人のチャートを同時に表示する機能の追加、有名人データベースと検索機能やヨーガ・レポートの拡充なども進むでしょう。カラカの表示機能も充実し、プラネタリウムも表示できるようになると聞いています4。

 

どの星座(活動、不動、柔軟、奇数、偶数など)に惑星がいくつ在住しているかがひとめでわかります。

 4 すでに、カラカの表示機能やプラネタリウムの機能は付加されています。__