遠隔コース

遠隔コース(授業、講義)とは、インターネットの会議システムスカイプではありませ~ん。有料のインターネット会議システムを使います)を使い、遠くに離れているもの同士がひとつのコンピュータ画面と音声を共有し、リアルタイム(実時間)で学習を進めていく授業システムです。世界のどこにいても受講できるのが魅力ですね(インターネットが繋がっていれば)。

遠隔コースにより、下記のようなメリットがあります。

 ①場所を選ばない:  インターネットに繋がるパソコンさえあれば、どこにいても参加できます。日本はもとより、国外からも参加できます。これまでに、インド=日本、アメリカ=日本、インド=アメリカ=日本、日本=インドネシア=マレーシアという多元中継の授業を行ったこともあります。

 時間帯を選ばない:  これまでは不可能だった平日夜間の時間帯に授業を受けることができます。せっかくの週末の昼間をつぶさなくてもすむので、週末に集中しやすい家事や家庭サービスを犠牲にする必要はありません。お子さんがいらっしゃるかた、週末はご主人がいるので外出しにくいとおっしゃる主婦にとっては福音です。 また、過ごしやすい格好・姿で授業に参加できます。コーヒーを飲みながらジャージ姿での受講も問題ありません。気軽に受講できるんですよね。

時間は短く回数は多く:  毎回都内のどこか一カ所に集合して行うセミナー形式と比べると、比較的抵抗感がすくなく授業回数を増やすことができるので、そのぶん一回あたりの授業時間を短めにすることができます。それにより集中力が持続しやすくなり、クラスごとの復習量が減ります。その一方で、クラス数は増えるので、反復効果により、学習効果は総じて増大します。また、一回当たりの講習料もとうぜん安くなります。なにを学ぶにしても、学習を習慣化できるかどうかが成否の鍵ですよね。

欠席のフォロー:  都合がつかずやむなく欠席となっても、ビデオ・フリップをダウンロードしてキャッチアップできます(有料サービスです)。

しかしメリットは、同時にデメリットにもなるというのは世の道理です。
遠隔授業には以下のような欠点もあります。

臨場感を感じにくい: 講師の表情・しぐさ、直接のやりとり、クラス全体の熱気・雰囲気など、いわゆる臨場感を全身で感じ取ることができないので、いい意味での刺激が不足する、緊張感が欠如しやすい、その結果、モチベーションを維持しにくいなどの欠点があるようです。講義をする立場からも、受講生の表情を見ながら理解の程度を確認しつつ進行することができにくいので、一方的な講義になりやすい部分はありますね。

そういう傾向に対しては、講師の側としては講義中に積極的に問いかけを行うようにする、受講する側としても積極的に質問をするなどをしてインテラクティブなコミュニケーションを心がけることが第一点。次に、講義が終わるたびに簡単な課題を課して受講生の理解度を把握し、アフター講義のコミュニケーションをはかることが第二点。そして、切りのいいところでスクリーニング(オフ会)を行うなどして、親睦をはかるなどの対応が必要かも知れませんね。

ビデオ受講への依存: 遠隔授業は講義数が多くなる傾向があります。その結果、都合がつかなくて欠席を余儀なくされる場合があります。そういうとき、講義の内容を録画したビデオをあとでダウンロードして受講することができます。

それは大変便利なのですが、ビデオ受講の方がすきなときに勉強できるから便利だというので、欠席が常態化し、ほとんどの授業をビデオ受講で済ませようとする人が出てきます。

しかし、ビデオをダウンロードしたあと、きちんと勉強する人はじつはほとんどいなくて、とりあえずビデオ・ファイルをハードディスクに保存しておいて、あとで見たいときに見ればいいやと思い、結局、見ないまま、だんだん勉強について行けなくなり、やがてリタイヤするというパターンに陥りがちです。

これに対しては、必要出席率(たとえば、60%以上)を定め、ビデオ受講の依存を許容しないコースであることを事前に認識してもらい、自覚を促すなどが考えられると思います。

ディシプリンの欠如: なにを学ぶにも一定のディシプリン(鍛錬、修養)が必要だと思います。①と②で説明した理由から、遠隔授業はらくちんであるぶん、ディシプリンの醸成にはマイナスに作用しやすい傾向があるのは否めないですね。

占星術の学習は、知識やテクニックの習得と並行して思考法・作法を学ぶことも必要で、そういう意味では、信頼関係を前提とした全人的な学習が望まれる科目であります。その点に関しては、ビデオ・ファイルをダウンロードして見るだけではどうしても限界がありますよね。

これについては、今後の課題だと思います。

遠隔授業を初めて受けられる方は、以上のメリットデメリットを念頭において臨まれるといいでしょう。